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お知らせ

「早咲きコウゾリナの進化学」に関する論文が学会誌に掲載されました。

北邦野草園堀江園長が調査研究に参加した「コウゾリナの進化学」に関する論文が学会誌に掲載されましたので、その概要を市民の皆様にお知らせいたします。

早咲きコウゾリナの進化学

旭川市北邦野草園  堀江 健二

嵐山公園を中心として、2015年より大学(京大、東大、東北大、龍谷大)と共同調査・研究を行ってきましたコウゾリナの論文が学会誌に掲載されましたので、その概要を紹介します。
 キク科のコウゾリナの開花は秋(9月が最盛期)です。一方、北海道北部の蛇紋岩地には、初夏(6月中旬~7月)に早咲きする蛇紋岩植物のホソバコウゾリナが分布しています。開花期の異なるコウゾリナとホソバコウゾリナの系統関係を明らかにするためには、DNA解析による遺伝学的な分析で検証することができます。そこで、コウゾリナとホソバコウゾリナの遺伝的変異を大学で詳細に調べました。その結果、ホソバコウゾリナは、コウゾリナとほとんど遺伝子の交流が無いまとまった別系統であることが分かりました。このことは、ホソバコウゾリナは、特殊環境の蛇紋岩地でコウゾリナが分化して新しい種に進化したのではないことを示します。
 アキノキリンソウの蛇紋岩地における早咲き系統は、通常の遅咲き系統と比べて、遺伝的組成が大きく変化し、新しい種へと進化しつつあることが分かりました。
 しかし、同じ早咲きのホソバコウゾリナでは、コウゾリナとは別系統の単一起源で、古い時代から蛇紋岩地に遺存隔離した残存植物であることを示すものです。
 本研究の成果は、植物の遺伝的分化と系統地理の解明に大きく貢献するものと考えられます。
 論文は2017年11月25日、日本生態学会の欧文誌 Ecological Research に掲載されました。
 尚、本研究の一部は、来春(2018年)3月に札幌市で開催される第65回日本生態学会大会でも、ポスター発表されます。


タイトル:
 Phylogeographic testing of alternative histories of single-origin versus parallel evolution of early flowering serpentine populations of Picris hieracioides L.(Asteraceae) in Japan

著 者:
 Shota Sakaguchi, Kenji Horie, Takuma Kimura, Atsushi J. Nagano, Yuji Isagi, Motomi Ito

参照サイト:
あさひかわの公園「蛇紋岩地帯植物の調査研究」

yasouen_paper_2017_12.jpg
蛇紋岩地の早咲きホソバコウゾリナ (2017.6.13)

 

  • カテゴリ:北邦野草園/嵐山公園センター
  • 投稿日:2017年12月 6日 16:35